坂本よしたか【THE DAO事件】

坂本よしたか【THE DAO事件】

坂本よしたかです。
自立分散型組織を意味するDecentralized Autonomous Organizationを略したTHE DAOは、約1億ドルを集めたICOで注目されました。しかしその後に起こったThe Dao事件の方が、よく知られている皮肉なプロジェクトでもあります。

THE DAOはドイツ企業が提案した、非中央集権型投資ファンドのプロジェクトです。通常は投資家から集めた資金を投資会社が運用しますが、THE DAOは資金の運用方法を投資家の投票で決める方式を取っていました。投資会社が運用を行うものを中央集権型、投資家の意思で運用先を決めるのが非中央集権型と呼びます。当時としては画期的な投資ファンドであったため、資金調達から30日弱で1億ドル以上もの資金が集まったとも言えます。この際に使われたのはイーサリアムで、投資家はDAOというトークンを受け取ることができました。

資金調達が順調に行われファンドを展開しようとした矢先に起こったのが、THE DAO事件です。プロジェクトの脆弱性をついたハッカー攻撃を受け、投資家から集めた約5000万ドル相当のイーサリアムが盗難に遭います。調達した資金の3分の1以上に当たるイーサリアムを盗まれたことは、プロジェクトにとって大打撃となりました。同時に盗難に遭ったイーサリアムを、どう扱うかという問題にも直面することになります。結局ハードフォークでイーサリアムを無効化する方法を取りましたが、この時に生まれたのがイーサリアムクラシックです。

全てなかったことにするという解決方法が取られたものの、後にホワイトハッカーによって一部の資金を取り戻しています。これはTHE DAOトークン保有者に、イーサリアムクラシック建てで返却されました。ただ返却要求があった場合にのみ対応していたため、現在も未返却の資金が残されていると言われます。THE DAO事件においては、イーサリアムや、プロジェクトのアイデアそのものに欠陥があったわけでないことが証明されています。しかししばらくはイーサリアムだけでなく、仮想通貨市場全体の価格を下げる原因となったことは間違いありません。

この事件では非中央集権であるはずの仕組みが、自分たちの都合で変えられてしまうという点が大きな争点となりました。不正な改ざんではないものの、万が一の時にどう対応すべきか、仮想通貨市場を巻き込んだ事件であったことは間違いありません。

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